RSNA 2017 Flash Seminar

Let's shape the future of imaging together - 北米放射線学会最新情報

RSNA 2017 Flash Seminar
 
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今年もRSNA(北米放射線学会)が、11月27日~12月2日に米国シカゴにて開催されました。シーメンスは、昨年と同じSouth Buildingにブースを構え、日本の先生方をはじめ、世界中から大勢のご来場者をお迎えしました。Siemens Healthineers は“Engineering success. Pioneering healthcare. Together.” をブースメッセージとして、今年もさまざまなソリューションを展示しました。


X線CT装置 - Computed Tomography

2種類の新型マルチスライスCT装置を中心に、読影支援システムであるsyngo.via、開発対応型画像解析システムであるsyngo.via Frontier が展示されていました。

RSNA 初出展となるSOMATOM Driveは、SOMATOM Forceの遺伝子を継承した最新のDual Source CT装置です。患者の体型、検査種別を問わないLow kV スキャンをルーチン検査で可能とし、一般撮影並みの被ばく線量で全肺撮影が行えます。Dual Sourceシステムによる高い時間分解能に加え、高速のDrive Spiralスキャン、ルーチンDual Energyスキャンも可能です。そして、タブレットによるモバイルワークフローを採用した新たなマルチスライスCT 装置も展示されており、今後のCT検査の流れ・あり方を変える斬新なデザインとなっていました。

また、読影支援システムsyngo.viaでは、新しいアプリケーションであるCinematic VRT のリリースにより、非常に高精細な3次元画像が描出されるようになっていました。さらに、開発対応型画像解析システムsyngo.via Frontier は、プロトタイプの解析ソフトウエアが使用できるシステムであり、新たなプロトタイプソフトウェアが紹介され、より発展的な研究の支援が期待されていました。

今年も多くの先生方にCTコーナーに足をお運び頂くことができました。新しい技術・機能をご紹介させていただく中で、シーメンスのイノベーションへの期待を強く認識することができた5日間のエキシビションでした。


MRI - Magnetic Resonance

MAGNETOM Skyra(3T)やBiograph mMR(MR-PET)、新しい価値を提供する1.5T MRIといった3機種のモックアップの他に10台以上のsyngo.viaコンソールやプレゼンテーションパネルなどが展示されており、初日、2日目、3日目と日を追うごとに来場者の先生方も増え、大変活気のある展示ブースとなっていました。

なかでも来場者の先生方の多くが関心を示されていたのが、Compressed Sensing(以下 CS)の心臓領域への適用を報告したものでした。CSは少ないデータサンプルから撮像対象の信号を復元する技術であり、高速化技術として注目されています。従来の高速化技術の多くは、高速化を実現する代わりに顕著な画質劣化を引き起こすなどの点が問題視されていましたが、CSは高画質を維持したまま高速化を実現できる技術として期待されています。展示ブースでは、実際に6分程度の検査が、25秒以下になったケースが画像とともに紹介されており、今後のMRI検査を大きく変える可能性を感じさせるものでした。

CS以外で、もうひとつ大きなトピックスとして取り上げられていたのは、医療を取り巻く環境の変化に対応するための新しい技術群です。Eco-Powerは、検査待機時の不要なポンプの循環を自動的に停止することで電気代を抑制し、最大30%* のランニングコスト軽減に成功しているとして紹介されていました。

* 自社比


X線血管撮影装置 - Angiography & Surgical Imaging

これまでに培った多軸血管撮影装置の技術をさらに発展させ、Hybrid ORに特化した新装置が実機展示されていました。

 

さまざまな外科手術への対応を考慮し、よりワイドなフリースペースを生み出した新設計Cアーム、耐荷重をアップし傾斜時でもスムーズな天板移動を可能とした新設計寝台、ケーブル類を極力装置内部に収納し、カバーも一体型構造とすることで清潔確保や感染症対策に配慮した新設計スタンドなど、システム全体がHybrid OR環境に向けて洗練された装置として発表されていました。フラットパネルディテクタも新型となり、3D作成時の回転撮影時間が短縮されたため、画質向上や造影剤使用量の低減も期待されます。高速回転撮影の実演を含む実機のデモンストレーションは、多くの来場者の注目を集めていました。

 

手術室用のハイエンド外科用イメージングシステム「Cios Alpha」の実機展示もあり、シーメンスの「ORソリューション」を幅広く紹介する展示となっていました。

隣接する「PURE Experience Lounge」、「syngo X Workplace」コーナーでは、血管撮影装置の最新プラットフォームである「PURE」の特長や最新3Dアプリケーションの数々が紹介されていました。中でも血管塞栓術ナビゲーションツールであるsyngo Embolization Guidanceの新バージョンは、IVRド クターの高い評価をいただいていました。従来の機能を進化させ、腫瘍を指定するワンクリックのみで栄養血管の自動抽出を実現しています。TACE(肝動脈化学塞栓療法)におけるワークフローの改善や治療精度の向上に貢献する機能として紹介されていました。

数々のイノベーションから、IVR環境、OR環境におけるイメージング技術の進化を多くの方に実感いただけた展示でした。
 


分子イメージング - Molecular Imaging

ボア径78cmを持つPET・CT装置「Biograph mCT Flow」の実寸大モックアップが展示され 、「FlowMotion」のコンセプトを紹介するために寝台の上に水槽をおき、従来の収集方法とFlowMotion の比較が分かりやすく紹介されていました。

 

また、FlowMotion の臨床応用として検査オーダーや患者さんごとに撮影条件を最適化するワークフロー、安定した呼吸相のPET画像が作成できる「HD・Chest」との組み合わせ、及び複数回FlowMotionを行うことで全身の動態イメージングを得られる「Whole Body Dynamic」 が発表されていました。

その他、PET性能にフォーカスした最新モデルのPET・CT装置「Biograph Horizon」、SPECT・CT装置「Symbia Intevo」上で安定した定量計測でSUV値を算出できる「xSPECT Quant」がテクネシウムに加えて、新たにヨード123、インジウム111、ルテシウム177と適応核種が拡大され、治療前後のSUV値の比較による病態の把握を、臨床画像を提示しながら紹介されていました。

 

読影支援システム「syngo.via」では、特にPET画像で多発性に病変があるデータに、自動VOI計測やTLGの算出が可能な新しい機能である「Multi-foci Segmentation」をデモンストレーションし、多くの先生方が関心を持たれていました。


マンモグラフィ&一般X線撮影装置 - Mammography & Radiography

マンモグラフィは既に国内でも販売されている「MAMMOMAT Inspiration」の実機が展示され、その横には高精細診断用ビューワとしてsyngo.viaが併設されていました。Radiographyは昨年に続き、一般撮影・DSA・透視撮影・コーンビームCT (3D) に対応するマルチスキャナ装置が展示されていました。

 

このビューワにはHDBT (High Definition Breast Tomosynthesis) として、逐次近似法を用いた新しい画像処理によるトモシンセシス画像「EMPIRE」、トモシンセシスの撮影データを基にした合成2D「Insight 2D」、トモシンセシスのボリュームデータをローテート表示する「Insight 3D」が紹介され、各画像の見え方の違いや実際の読影での活用方法等、新しい画像に多くの先生方が興味を示されていました。


Radiography

昨年に続き、一般撮影・DSA・透視撮影・コーンビームCT (3D) に対応するマルチスキャナ装置が展示されていました。受診者を部屋移動させることなく1部屋でマルチモダリティの検査を行うことができる、というコンセプトのもと設計された装置です。 救急処置室への設置等、運用の幅を広げる可能性を持った装置として期待が寄せられていました。

また、一般撮影装置としては、アナログ一般撮影装置「Multix シリーズ」のFDを搭載した装置が展示されていました。搭載しているFDが新しく軽量かつ薄型に進化し、さらにシーメンスの装置同士でシェアリングできるという特徴を持った装置です。

Radiography 領域では、装置の機能はもちろんですが、それ以上にその装置をどのように運用していくことができるかが大きなポイントとなっていたのが印象的でした。


超音波画像診断装置 - Ultrasound

“Delivering Personalized Liver Ultrasound”として、肝疾患の診断から治療までをさまざまなアプリケーションでサポートさせていただくご提案をしていました。

 

ACUSON S3000では、Virtual Touch Quantificationで肝臓の硬さを数値化し、肝線維化の定量評価や経時的フォローが可能です。また、Cadenceでは造影で腫瘍の評価をおこない、eSie Fusion imagingで低侵襲に治療を行うことができ、肝疾患の診療をトータルサポートします。 今回、これらのフロー がAdvanced Application Tower で紹介されていました

 

 

また、今年はブースハンズオンが行われ、実際にスキャンをして画像や操作性をご覧いただけるようになっていました。

乳腺領域では、ABVS(自動乳房ボリュームスキャナ)のワークショップが連日開催されていました。

このワークショップはABVSの読影を体験していただくもので、十数症例をマンモグラフィーの画像などとともに読影するものでしたが、多くの先生方が参加され、大盛況となっていました。


Imaging IT & Digital health

新たにスタートしたDigital Health Services(以下、DS)からは、Enterprise IT、 teamplay、そして、IBM Watson Health*1とのコラボレーションを発表したPopulation Health Management(以下、PHM)について紹介され、連日大盛況のブースとなりました。また、シーメンスの新たなDigital Health の方向性についての発表の場にもなっていました。

「teamplay」は、放射線画像データの新たな価値を創造するために、クラウド化したサービスであり、国内外問わず、既に160施設以上の医療機関で利用が開始されています。シーメンス製の装置だけでなく、多くの他社製装置やPACS製品と接続でき、線量管理や利用統計管理といった散在するデータの見える化を行うことで、日常検査の質の向上が期待されています。

 

加えて、今年のRSNAでは、装置のプロトコルを管理できる「Protocol Management」機能が追加されていました。CT、MRI等でのプロトコル管理の煩雑さを軽減し、集中管理によって、装置の最適化を促すことができるようになります。
また、「Image Sharing*2」機能も加わり、teamplay を導入している他の医療機関と容易に画像データを共有することができるようになっていました。画像のコメント等のやり取りもできるため、SNS のような感覚での画像共有やコミュニケーションツールとしての期待が高まっています。

Enterprise ITのブースでは、PACSである「syngo.plaza 3D+」の最新モデルが発表されていました。“日常の画像診断に3D画像を”テーマに、syngo.viaで発表したシネマチックレンダリング機能等が加わり、放射線画像システムとして進化していま した。

また、院内の全ての画像や動画、ドキュメント等を一元管理できるVNA製品の「syngo.share VNA」も発表されていました 。欧米では既に多くの施設で稼働しており、今回、マルチメディアの長期保存だけではなく、施設間連携を施したeHealth機能を搭載し、実際のワークフローを紹介していました。

IBM Watson Health*1とのコラボレーションを発表したPHMは、シーメンスの豊富な画像診断や医療情報データとIBM のAI技術を利用し、PHM を促進していくことで、 "コストを抑え、品質向上に貢献する" というシーメンスのビジョンを達成する製品として紹介されていました。今後、全世界で導入が検討されていくことが期待されます。

Advanced Visualizationエリアでは、syngo.via VB20が4台展示されていました。モダリティエリアのsyngo.via と合わせると計20台以上の展示となっており、Multi Modality におけるsyngo.via の重要性が強調されていました。

特に注目を集めていたのはCinematic VRT の搭載です。現地に来られた日本の先生方からも「外科医の先生方が喜びそう」といった声が聞かれました。

 

また、既存の機能であるMonoenergetic PlusやMM Oncologyの新機能であるMulti-foci Segmentationの評価も高く、臨床での活用が期待されていました。

 

*1 Watson Health は International Business Machines Corporation の商標です。
*2 画像は診断には使用できません。