アレルギー患者様向け情報

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血液検査でわかるアレルゲン一覧

かゆみ、湿疹、花粉症、気管支ぜん息、皮膚炎など様々な症状を引き起こすアレルギー疾患。その原因となる物質やアレルギー発症のメカニズムなど、知っておくべき基本情報をご紹介します。

アレルギーの症状はアトピー性皮膚炎から気管支ぜん息・アレルギー性鼻炎に変化する

年齢とともに症状を変えながら繰り返し発症するアレルギー疾患の多くは、牛乳や卵を原因とした乳幼児期のアトピー性皮膚炎に始まります。食物アレルギーは子供の成長と共に80~90%が学童期までには自然に治ると言われています(耐性の獲得)。一方、親からの遺伝でアレルギーになりやすい体質の子供は、気管支ぜん息やアレルギー性鼻炎にもなりやすいと言われています。このように、年齢とともに次々と症状が現れることをアレルギーの進行にたとえ、アレルギーマーチと呼びます。

アレルギーマーチは症状だけではなくアレルゲンも変化~卵・牛乳からハウスダスト・スギ花粉~

アレルギー疾患も、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)も年齢とともに変化します。乳幼児期には卵や牛乳といった食物性アレルゲンが中心ですが、成長と共に、ハウスダストやスギ花粉など吸入性アレルゲンが主体となります。

このアレルギーマーチをくい止めるためにも、正しい検査と診断が大事になります。自分で判断せずに、専門のドクターに相談しましょう。

食物アレルギー

食物を摂取した時に、その食物に含まれるたんぱく質を体が異物として過剰に反応する事で体が傷つき、様々な症状を引き起こすことを食物アレルギーと言います。その症状は顔や腕に限らず様々な部分に現れ、症状も軽いものから命に関わる重いものまであります。

  • 目:充血、痒み、目の周りのむくみ
  • 皮膚:痒み、じんましん、むくみ、赤くなる、湿疹
  • 口、のど:唇や口内、舌の違和感やはれ、のどのかゆみ、イガイガ感、声がかれる
  • 鼻、肺:くしゃみ、鼻水、鼻づまり、せき、ゼイゼイ、呼吸困難
  • お腹:腹痛、気持ち悪さ、嘔吐、下痢、血便
  • その他:食事後の体調不良

 

食物アレルギーと乳児の皮膚炎
湿疹が治りづらかったり食事の後に皮膚が赤くなったりした場合は食物アレルギーの可能性があります。
これらの症状が出た場合は、塗り薬やスキンケアだけではなく食物アレルギーの診断が必要になります。
 

アレルギーを専門とする医療機関を受診して詳しく相談しましょう
子供が心身ともに大きく成長する時期に食事は重要な役割を果たします。自己診断でむやみに制限することは成長の妨げになります。
食物アレルギーの診断は非常に難しく、専門医による詳しい問診や血液検査や皮膚テストによる特異的IgE抗体の検査、食物負荷試験により総合的に判断されます。
また、子供の場合は成長とともに、耐性を獲得して食べられるようになるケースが多いため、定期的に診断を受けて、こまめに原因を見直してもらうことも重要です。 

 

よく見られる疾患

  • 口腔アレルギー症候群(OAS)
    キウイやオレンジ、トマトや人参などの果物・野菜を花粉症の人が食べることで、花粉と野菜・果物が影響しあって、唇や口の中が腫れたり、かゆくなったり、イガイガする症状を引き起こすことを口腔アレルギー症候群(OAS)と呼びます。そのままにしておくと重い症状を引き起こす場合もあります。血液検査や皮膚テストで原因を知ることが治療の第一歩です。
  • 食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)
    小麦、エビやカニ等の甲殻類などを食べた後に運動をすることで蕁麻疹やアナフィラキシー症状を起こすことがあります。これを食物依存性運動誘発アナフィラキシーと呼びます。給食後に体育などで運動をすることが多い、小中高生に多く見られるため、学校で発症することがあります。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は、花粉を原因とする季節性アレルギー性鼻炎とハウスダストやダニなどを原因とする通年性アレルギー性鼻炎とに分類されます。

通年性アレルギー性鼻炎の原因季節性アレルギー性鼻炎の原因
ハウスダスト
昆虫
ペット

ダニ
ガ、ユスリカ、ゴキブリ
イヌ、ネコ


春~夏
夏~秋
スギ、ヒノキ、シラカンバ
カモガヤ(イネ科)
ブタクサ、ヨモギ(キク科)

アレルギー性鼻炎の3大症状「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」
アレルギー性鼻炎の症状の代表的なものとしては「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」が挙げられます。アレルギー性鼻炎は完全に治す事が難しい病気です。自分の病気の原因をよく知ることで症状を軽くすることができます。最近は治療薬も進歩しており、また、免疫療法という新しい治療法も開発されました。専門医にご相談ください。

アレルギー性鼻炎の検査と診断

アレルギー性鼻炎の検査には、アレルギーか否かを調べる検査と原因物質を調べる検査があります。
アレルギー性鼻炎の診断においては、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状があり、鼻水の中に好酸球が証明され、症状と矛盾しない抗体(花粉症では花粉飛散時期と一致する抗体)が検出されれば診断は確定します。 

  • 問診
    問診では、いつ症状がでるか、どんな症状か、アトピー性皮膚炎などの他のアレルギーの有無、家族歴など診断の基本となる情報を調べます。
  • 鼻鏡検査
    鼻鏡検査で直接鼻の中の状態を見ることで、副鼻腔炎、鼻ポリープ、鼻中弯曲症などの他の鼻の病気と区別ができます。
  • 鼻汁好酸球検査
    鼻汁好酸球検査は、その症状がアレルギーによるものか調べる一般的で大切な検査です。その他、血液による検査では血中総IgE抗体や
    血中好酸球を行います。
  • 特異的IgE抗体:アレルギーの原因を調べる検査です
    ・ 皮膚テスト:原因と思われる物質を皮膚に入れて、赤くはれる反応を見ます。
    ・ 血中特異的IgE抗体検査:血液検査で原因となる物質に対する抗体が血中にどのくらい存在するかを調べます。
    ・ 鼻粘膜誘発テスト:原因と思われる物質を鼻の粘膜につけて、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状がでるか、またはその程度を確認します。 

季節性アレルギー性鼻炎の原因と対策

くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状は薬による治療で症状を緩和することができます。しかしこれらの症状はアレルギーの原因物質が体内に入ることで感作・発症がおこります。つまり、アレルギー性鼻炎に係わらず、すべてのアレルギー性疾患の対策は、原因を特定して、それを身体に入れないようにすることです。

  • 対策1:花粉情報に注意しましょう
    早めの対策・治療のためにも天気予報等の花粉情報に注意してください。花粉が飛ばなくなっても症状がある場合、他の原因を疑うためにも役立ちます。
  • 対策2:花粉が入らないようにマスクをしましょう
    原因物質を防ぐには最も効果的な防御手段です。高価なマスクでなくてもかまいません。衛生面からも使い捨てのマスクを毎日取り替えて使うのが良いでしょう。症状が出てからではなく、花粉が飛散する少し前からマスクを使うのが効果的と言われています。
  • 対策3:花粉が目に入らないようにメガネをしましょう
    花粉が目に入ると、結膜炎などの症状が起こります。ゴーグル型の花粉症用メガネが効果的と言われていますが、普通のメガネでも花粉を防御するのに有効です。
  • 対策4:花粉を家に入れないようにしましょう
    外出先から帰宅した時は、衣服に着いた花粉を家に入れないようにしましょう。玄関先で衣服を払い、うがい、洗顔に心がけましょう。花粉が飛散する時期には、花粉が付きにくいつるつるした素材の衣服にしましょう。
  • 対策5:花粉が家に入ったら除去しましょう
    家の中に入ってしまった花粉は、しばらく空気中を浮遊しますが、最終的には床に落ちます。除去するには、こまめに掃除をしてください。花粉だけでなく、通年性のアレルギー性鼻炎の原因となるハウスダストの除去にも役立ちます。空気清浄機の利用も効果があるという報告があります。
  • 対策6:花粉の原因となる草木を除草しましょう
    イネ科やキク科の植物の花粉は、遠くまで飛ぶことはありません。家の周りに原因となる植物がある場合は、花が咲く前に除草しましょう。

発症のメカニズム

スギやヒノキの花粉等が身体の中に入ってくると、異物を排除するメカニズムが働き始めます。その物質が次に入ってきたときにそれを排除するために、その物質だけに反応する特異的IgE抗体を作ります。特異的IgE抗体ができた状態を「感作」と呼びます。特異的IgE抗体は肥満細胞という細胞の表面にくっついて体内に存在しています。

この「感作」された状態では何の症状もありませんが、同じ物質(たとえばスギ花粉)が再び体内に入ってくると、特異的IgE抗体がそれを捕まえます。捕まえたという信号によって、肥満細胞が活動を始めて細胞の中にあるヒスタミンやロイコトリエンという化学物質(ケミカルメディエーター)を放出します。ヒスタミンは神経を刺激してくしゃみと鼻水を起こします。ロイコトリエンは血管を刺激して鼻づまりを引き起こします。

これらの反応は異物に対する生体の防御反応なのですが、遺伝的要因や環境要因により体内の免疫バランスが崩れることで症状がおこります。このことを「発症」と言います。

ハウスダウト、花粉、卵、エビ等様々なアレルギー原因を調べることができる血液検査

体が異物に対して攻撃的な反応をする一つの原因として、異物に対する特異的IgE抗体が上げられます。血液検査では、患者の血清の中に「何に」反応する特異的IgE抗体が「どのくらい」あるかを調べます。現在では、下の一覧表に示した、209種類の原因物質(アレルゲン)に対する特異的IgE抗体を測定することができます。


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