心血管イベントと尿検査

尿検査はなぜ大事なの?

糖尿病合併の高血圧では50%以上が尿中アルブミン陽性

監修:平光伸也 先生
(平光ハートクリニック院長 藤田保健衛生大学循環器内科客員准教授)

当院の外来の治療通院中の高血圧患者連続500例を対象に、顕性蛋白尿、微量アルブミン尿の頻度を検討しました。

500例中110例の糖尿病患者のうち20例(18.2%)は顕性蛋白尿、残り90例中の39例(43.3%)が微量アルブミン尿でした。

<平光先生のコメント>

慢性腎臓病は心血管イベントの独立した危険因子といわれています。しかし我々開業医は、血清クレアチニンは測定しても、尿中アルブミンの測定はあまり行っていません。微量アルブミン尿がみられる症例は、心血管イベントの発症頻度が高いことが報告されていますので、今後は日常臨床でも本検査を積極的に行うべきと考えます。

当院はハートクリニックですので、心筋梗塞や心不全などの疾患が多いため、通常のクリニックよりは微量アルブミン尿を呈する患者様の頻度が高い可能性がありますが、検査をしてみてその頻度の高さに驚きました。また、微量アルブミンの段階であれば、ARB やACE 阻害薬などの投与で改善する症例が多いので、早期発見、早期治療のためにも、尿中微量アルブミンを測定することが重要であると考えています。


平光先生の「クリニックにおける尿中アルブミン陽性率の検討」リーフレットを差し上げます。ご希望の方はこちらよりお問い合わせください。
 


尿蛋白を見逃してませんか?
監修:今田恒夫 先生 (山形大学医学部内科学第一講座准教授)


かかりつけ医に通院中の高血圧または糖尿病患者の随時尿227検体で濃度補正尿試験紙を用い検討しました。

随時尿検体は希釈尿の割合が多く、濃度補正なしでは過小評価となりやすい結果でしたが、濃度補正により蛋白尿の陽性の頻度が増加し、定量の蛋白/クレアチニン比に近づきました。

* 高度希釈尿は機器測定では再検査と表示されます。蛋白質は陰性ですが、クレアチニンが10mg/dLの非常に希釈された尿であるため、別の検体を用いて再検査が必要であることを意味しています。

※濃度補正試験紙はマルティスティックスPRO10LSを使用

 

<今田先生のコメント>
尿試験紙による蛋白判定は、希釈尿では実際の数値よりも過小評価に、濃縮尿では過大評価になることがあります。尿の濃度は運動や水分摂取などの影響により変動しますが、今回検討したかかりつけ医での随時尿検体では、希釈尿が多くみられました。

希釈尿は、心血管疾患の高リスクである尿蛋白の見逃しにつながる可能性があるため、その評価の際は注意が必要です。尿濃度の補正により尿蛋白判定の感度は上昇するため、随時尿検体の尿蛋白判定には、尿濃度補正を加えることが望ましいと思います。


今田先生の「かかりつけ医での濃度補正試験紙の検討」リーフレットを差し上げます。ご希望の方はこちらよりお問い合わせください。

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