CKD診療ガイドが改訂へ

2012年6月1日、第55回日本腎臓学会学術総会で新しい「CKD診療ガイド2012」が発表されました。とくにCKDの重症度分類の見直しが重要です。これまでCKDでは糸球体濾過量(GFR)のみで重症度を評価していましたが、GFRに加えてアルブミン尿や蛋白尿、原疾患を加味した重症度分類に変更され、より詳しく重症度が分類できるようになりました。

CKDの重症度分類では、国際的にはアルブミン尿区分のみが用いられますが、日本ではアルブミン尿に加えて蛋白尿でも重症度が評価できます。これは、現在日本では、尿中アルブミン検査の保険適応は糖尿病患者のみであるためです。しかし高血圧症患者でも尿中アルブミン陽性率が40%以上という報告*1もあり、尿中アルブミン検査の適応拡大が求められています。


今回の改訂ではCKDの診断は尿試験紙による尿蛋白定性検査ではなく、尿中アルブミン、尿中蛋白と尿中クレアチニンを定量して、クレアチニン補正したアルブミン尿、蛋白尿で評価することが推奨されています。尿蛋白定性検査では濃縮尿や希釈尿などの条件の違いによって、偽陽性や偽陰性となることがあります。 随時尿であっても尿アルブミン/クレアチニン比や尿蛋白クレアチニン比として評価することで、より正確にCKDの診断ができます。

定量検査でのクレアチニン補正は煩雑で導入の困難な施設も多いことから、尿中クレアチニン補正が可能な試験紙を用いて定性検査を行うことがひとつの有用な手段と期待されます。*2

監修:
名古屋大学大学院 医学系研究科 CKD地域連携システム講座・腎臓内科 准教授 安田 宜成 先生

*1Yoshihiro Tani and other, (2011) High incidence of albuminuria associated with cardiovascular risk factors in Japanese hypertensive patients: Cross-sectional study with a nation-wide internet survey (AVA-E Study), Hypertension Reserch.

*1 平光伸也 (2009) 「臨床:実地臨床におけるイルベサルタンの使用経験-微量アルブミン尿を伴う高血圧患者」 血圧 vol.16 no6 2009 P507-P510

*2 今田恒夫 他 「かかりつけ医でのアルブミン尿検出における濃度補正尿試験紙の有用性」 医薬と薬学 66巻6号 2011年12月 別冊